Whenever You Call 【Snow Man】

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阿部side






「Aちゃん？」

少し近づいてから声をかけると、ゆっくりと顔を上げた。
俺と目が合った瞬間、知ってる人だと安心したのかさっきとは違う声で泣き始める。





「ごめんね、Aちゃん。怖かったね、」

「うわぁぁぁん」

「よしよし、ごめんごめん」



側に座ると、すぐに手を伸ばして腰に抱きついて顔をお腹に埋める。
小さい体は震えていて、それだけでどんなに怖かったかがわかる。



「一人で行かせてごめんね。」

「こわ、かった…っ、」

「うん、そうだよね」

「っ、やだぁ、、、」


背中を摩ったり頭ポンポンしたり、持てる力は全て出してはいるんだけど、Aちゃんは怖い、と繰り返すばかりで落ち着かない。

やっぱめめじゃないとダメかなぁ。









「Aちゃん、ここにいたらずっと暗いままだからちょっと頑張って明るいところまで行こう？」

「や、こわい…」

「怖いことないよ、一緒にお外行こうよ」

「…お外？」

「うん。めめも、みんなも明るいところで待ってるよ」



初めは渋っていたけどめめもいると言ったら行く気になったのか、小さく頷いた。

俺の服を掴んでいたAちゃんの右手を一度ほどいて、俺の左手に繋ぎ直す。




「よし、行こう。立てる？」

はい、と言ったものの体に力が入らないAちゃんを支えて立たせる。

お化け屋敷の中はだいぶ涼しいのに、しばらく泣いていたからか伝わってくる体温は高い。



ぐすん、と鼻をすすりながら、手はしっかりと繋いだまま俺の少し後ろを歩くAちゃんは、かなり幼い。



大丈夫、繋いだこの手は離さないよ。


なんて少しカッコつけた言葉を心の中で呟いて、お化け屋敷を出た。

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