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「どうすんの？」
「んー、捨てるかなぁ。お腹いっぱいだし」
さすがに飲んだ帰りに入る気はしなかったので仕方ないけど処分するしかない。
そう思って一旦蓋を閉めようとすると、その手をばっと掴まれて動きが止まった。
「えっ」
「ん、んま！」
そして手が伸びて来て、ひょいっと卵焼きが摘まれたのだ。
「えー、おれ今まで食べた卵焼きの中で一番好きだわ」
「へ」
「味付けかな？美味い、あの店より俺こっちのが好き」
ぽっかり空いた卵焼きの場所。
もぐもぐと口を動かしている彼。
「これなに？」
「え…アスパラベーコン巻き」
「うわ絶対うまいやつじゃん」
ひょいひょいとおかずを摘んでいくふっか。
時間も遅いし夕飯は食べていくと言ってたのに、そんなに食べれる量も多くないはずの彼はそれを感じさせないほどに美味しそうに口を動かし続けた。
「ねぇ俺全部食べていい？」
「え…全部？」
「捨てちゃうの勿体無いじゃん、夕飯早めに食べたからちょっと腹減ってたんだよね」
お風呂の準備をしていたはずなのに、私の手からお弁当を奪ってダイニングに座ったふっか。またおかずを一つ摘んでうま！と声を上げる。
「……ふっかがいいなら、全然」
「まじ？やった」
彼は1段目のご飯も開けて目を輝かせる。
別に、何の変哲もないふりかけご飯なのだけど。
箸を持っていってあげれば彼は本当に全てを食べる勢いでおかずやご飯を頬張り出した。
自分の作ったお弁当を誰かに食べられるなんて初めてで、そもそも食べてもらおうとしてつくったものでもないから。変な感じがして、何だかソワソワして。
コーヒーを淹れて向かいに座ればもう半分以上が無くなっていて。成人女性用の量だとしてもめちゃくちゃペースがはやいのなんの。
「まじうまい、これ毎日食べてんの？」
「まぁ…」
「いいなー」
お世辞だと思ってしまうくらいに褒めながら
「……そんな急いで食べなくてもいいのに」
何かに追われてる？ってくらいがっつくふっか。
「んぐ、だってうまいんだもん」
そんな彼がだんだん可愛く思えて来て。
やっと素で笑みをこぼせばふっかはそれを見て口を膨らませながら微笑んだ。
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ぽぷら(プロフ) - ayaさん» 彼の優しさがいい具合に表せてたらな〜と思います。主人公の秘めた想いやふっかさんの諸々など…その辺も曖昧なのがこの物語の肝だったりするのかなぁなんて思ってます（笑）この阿部くんもよかったですよね〜！好きです。改めてありがとうございました！ (4月15日 16時) (
レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ayaさん» 私の作品ではありがちないつのまにか完結してるパターンですね（笑）今作もお付き合いいただきありがとうございました☺︎彼の作り出す空気感とかそれこそトキメキとかって本当に惹かれるものがありますよね。さすがリアコ言われるだけあって沼です… (4月15日 16時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - らんももさん» いつもお読みいただきありがとうございます！次回作等はまだ何を書くか未定ですがまた色んなメンバーで楽しんでいただけるように頑張りますね☺︎ありがとうございました！ (4月15日 15時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - 凪さん» お読みいただきありがとうございました！あたたかさを感じていただけたのはとっても嬉しいです。番外編等はもし書きましたらお知らせさせていただきますね☺︎ありがとうございました！ (4月15日 15時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - ちゃそさん» こちらこそいつもお読みいただきありがとうございます！この人は本当にずるいですよね…リアルに恋する5秒前です…（笑）番外編等はお約束はできませんがもし書いた際にはお知らせさせていただきますね！ありがとうございました！ (4月15日 15時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2024年4月8日 19時
