佐久間さんちは今日も幸せ4

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康「なぁ、紫耀くん、どないしたん？」


紫「何が？」


康「食事ん時さ、急に口数が少なくなったやん？もしかしてあんまり美味しくなかった？」


紫「そんなことないで。全部美味しかったよ」


康「そう？ならええんやけど.......」


食事を終えて店を出る頃には、外もだいぶ薄暗くなってきていた。


ポツリポツリと喋りながら歩いていても、紫耀の表情は浮かないままだ。


つい先日までコンサートツアーで全国を飛び回っていたようだし、疲れが出たのかもしれない。


せっかくのオフなのに外に連れ出してしまって、今更ながら申し訳ない気持ちになる。


康「なんかごめんなぁ.......無理やり誘ったみたいになって」


紫「どうしたん、急に」


康「ん......何となく疲れてるように見えたから。せっかくのオフなんに、俺空気読めへんことしたなぁって反省してる」


紫「そうやないよ」


康「紫耀くん優しいから、俺の誘いを断るの悪いって思ってくれたんやろ？」


紫「だから違うんやって！」


突然足を止めて大声で叫ばれ、ビクリと肩が竦んだ。


幸い周りに人は少なかったが、チラチラと振り返る人の姿が見えて、紫耀は我に返ったように口を押さえた。


紫「ごめん、驚かせて」


康「紫耀くん.......？」


紫「あのさ、康二に話したいことがあるから、ちょっと付き合ってくれる？」


康「え？ちょ.......っ」


呆気に取られる俺の手首を掴むと、クルリと向きを変えて、駅とは逆方向に歩き出した。

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