6話 ページ8
今日は水曜日。
もうすぐ17時になる。
阿部「こんにちはー」
姉の家庭教師をしている阿部くんが、家にやってきた。
でも、いつもならいるはずの、もう一人の人物が見当たらない。
『阿部くん、深澤くんは？』
姉の部屋に行こうとする阿部くんを呼び止めて、そう聞いてみた。
すると、
阿部「ああ、Aちゃん。こんにちは。ふっかなら、しばらく来れないと思うよ」
『え、何で？』
阿「俺とふっかの友達に、渡辺翔太って人がいて、バスケ部に所属してるんだ。で、来週末に試合があるらしいんだけど、レギュラーの一人が怪我して、人数が足りなくなったんだって。ふっか、中学の時バスケ部だったでしょ？だから翔太が、助っ人として試合に出てくれって頼んで···。出ることになったから、それまで部活に出て練習してるんだ。だから、今週と来週は来れないみたい。ごめんね」
『ううん、大丈夫。教えてくれてありがとう。引き止めちゃってごめんね』
私がそう言うと、阿部くんは微笑んで、軽く手を振ってから、姉の部屋に入っていった。
私も自分の部屋に入ってゲームをする。
いつもは二人でしているゲームを、今日は一人でする。
いつもより静かで、少し寂しかった。
『···勉強しよ』
私はゲームをやめて、机へ向かった。
コンコンッ
阿「Aちゃん、入ってもいい？」
『阿部くん？どうぞ』
1時間ほどたった頃、阿部くんが部屋に入ってきた。
『阿部くん、お姉ちゃんの方はいいの？』
阿「今は休憩中。たまには、Aちゃんの勉強も見てみたいと思って。いい？」
『大歓迎だよ。早速なんだけど、ここ教えてほしい』
阿「この連立方程式は、まず分数を整数に直して···」
『···こう？』
阿「そうそう。で、�△亮阿�xの係数とと数が同じになるように計算してから、�，�ら�△魄�く」
『なるほど···。···こう？』
阿「おー！正解！やっぱりAちゃんは飲み込みが早いね」
『そうかな？ありがとう』
頭がいい阿部くんにほめられるのは嬉しいな。
阿「あ、そろそろ時間だ。じゃあ、俺はもう戻るね。Aちゃんも勉強頑張って」
『うん、ありがとう。阿部くんも頑張ってね。お姉ちゃんをよろしくお願いします』
阿「任されましたw」
そう言って、阿部くんは部屋を出···かけたけど戻ってきた。
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作者名：はる | 作成日時：2023年5月15日 20時
