深澤くんにはかなわない (ページ13)

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11話ページ13

今日は土曜日。

ついに、試合の日がやってきた。

阿「おはよう、Aちゃん」

『おはよう、阿部くん。わざわざありがとう』

阿部くんが家まで迎えに来てくれたので、会場まで向かおうとした。

すると、

風香「あれ？A、予定って阿部くんとだったの？どこ行くの？」

自分の部屋に行こうとしたお姉ちゃんが声をかけてきた。

『え？お姉ちゃん聞いてない？深澤くんのバスケの試合だよ』

風香「え！？そうなの！？阿部くん、何で教えてくれなかったの〜！」

阿部「ごめんね。風香ちゃん受験生だし、遠慮しておいた方がいいかなって思って」

風香「私も行きたかった···。でも予定あるし···。A、阿部くん、私の分まで応援してきて！」

『任せてー！』

お姉ちゃんは、「久しぶりに、バスケしてるふっかくん見たかったな〜」と言いながら、部屋へ向かった。

阿「じゃあ、行こっか」

『うん』

会場までの道のりで、お姉ちゃんの話になった。

阿「まさか、風香ちゃんがあんなに見たがるなんて」

『だね。私もびっくりしたwバスケしてるときの深澤くん、かっこいいもんね』

阿「普段とは全然違うからねー」

阿(まあ、だから言ってなかったんだけど)

『そうだよねー。クレーンゲームしてるときもそうだけど、深澤くんって、真剣になってるときがすごく分かりやすいよね』

阿「うん、顔に出てるっていうか」

『ねー。あ、会場見えてきた！』

阿「ほんとだ。楽しみだね」

『うん！』

会場に入り、観客席の最前列に阿部くんと並んで座る。

しばらくすると、両チームの選手たちが入ってきた。

私たちに気づいた深澤くんと翔太くんが、小さく手を振ってくれた。

そして、いよいよ試合が始まった。