雪のように、儚い君を。~3~

経緯 ページ19

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深澤side


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阿部ちゃんの予想通り、前のドラマで恋人役をしていた俳優と付き合っていた時に殴られてできた痣だった。


「監督から、演技のことで本当に相手のことを愛してるように見えないってダメ出しもされてて…。恋愛経験が少ないからだって悩んでた…。」

深「そんな時に、そいつから告白された？」

「うん…。役じゃなく本気で好きになったって言われました。私は彼に対して恋愛感情がなかったから、断ってたんだけど…。」


結局、悩んでるなら俺との恋愛を練習にしたらいい。なんて何度も押されて付き合ったらしい。


「だんだん、彼がものすごく嫉妬深い性格だってことが分かって。ジャニーズ事務所での仕事は異性とばかりなのに、それも許してくれなくなってね…。」

阿「春の歌舞伎の時、手伝いに来れてなかったのって…」

「うん。歌舞伎までに別れようと思ってたの。例年通り、絶対歌舞伎のお手伝いはさせてもらいたかったし…だけど…。」


結局、そいつからの暴力はエスカレートして、目立つところに怪我はなかったから誰も気づかなかったけど、怪我の痛みと精神的に追い詰められ、仕事中に倒れたらしかった。


深「俺ら、お前が来れないこと滝沢くんからは別仕事との兼ね合いだって聞いてたけど…？」

阿「心配かけるから、黙っててとかなんとか言ったんでしょ？ほんと馬鹿。心配くらい…させてくれてもさ…。」

「滝沢歌舞伎について行かせてもらってるだけで。私は十分迷惑かけてるんだもん。なのに、自己都合でいきなり行けない上に、付き合ってる相手に殴られて倒れたなんて言えるわけない…」



そのまま入院した病院で不自然にできた無数の痣から、マネージャーや事務所が暴力に気づいて、事務所同士を通して別れることになったみたい。

Aが大事にしたくないと申し出たことで、特に取り上げることなく、水面下でことが進んだらしい。


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