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木村 side
『よなさん〜、パン全部焼けたよ〜』
奨「はいはーい、ありがとうね。あとは…じゃあ…」
『今日のよなさんのコーヒー俺がいれてもいい?』
奨「お、やってくれるの?(笑) 俺のこだわりは凄いぞ〜(笑)」
にやにやしたよなさんの顔。
よなさんは大のコーヒー好き。毎朝飲んでるのを俺は知ってる。
いつもは、シンクに置いてあるよなさんコーヒー専用カップがまだ無かったから、今日はまだ飲んでないんだと思う。
いつもいれてるのを見てるから、もうそろそろいれられると思うんだよね。
よなさんに許可を貰って、コーヒーをいれる。
雄「まさやくぅん、なにしてるの〜」
目に目やにを沢山つけた眠そうな雄大が話しかけてきた。
『ん〜?雄大おはよぉ。今はね、よなさんのコーヒー作ってる。』
雄「へえ〜、」
適当な相槌だけ打ってどこかへ行ってしまった雄大。
そんだけ!?と心の中でツッコんでみた。
豆を焙煎する所からするのが、よなさんのこだわりポイント。
見よう見まねだけど、これまで見てきたようにやってみる。
迅「まさやくーん!!なにしてんの!」
『えっとね、よなさんのコーヒー作り。』
迅「俺もやる!!俺も俺も!!」
隣で何度もジャンプして言うもんだから、少し手伝ってもらうことにする。
『そこの、カップ持ってきてもらえるかな』
せっせこせっせこ働く末っ子は可愛い。
迅は本当に人懐っこい。
2人で作ったブラックコーヒーの見た目は、いつものよなさんのと同じ。そりゃそうか、、(笑)
迅「隠し味!!」
一瞬目を離した隙に、ぽちゃんという音と、揺れているコーヒーの水面。
『ちょ、迅何入れたの、?』
迅「えーチョコ!!」
『おっと、…』
迅「絶対美味しいよ!!こんなの苦くて美味しくないから!!」
『お子ちゃま舌には分かんないんだよこの美味しさが〜(笑)』
チョコを抜こうかとも思ったけど、ホットコーヒーにもう既に溶けて混ざってしまっている。
迅はイタズラじゃなくて、一応よなさんの事を想っていれたわけだから、いっか。(笑)
『じゃあこれ、みんなもうリビングいると思うから、よなさんに渡しておいで!』
はーいと元気に返事をして、みんなのいる食卓へ向かう。
零さないように、慎重に歩く迅をしっかりと見届けながら、自分も食卓へ向かう。
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作者名:ぽぽまる | 作成日時:2024年3月29日 0時